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【コラム】新築(建替え)とリフォーム比較:予算編
2025.07.05
家づくりの計画を進めるにあたり、建て替えで新築しようか?それともリフォームしようか?
迷いながら、その答えを求めてモデルハウスやショールームに来場されるお客様がとても多くいらっしゃいます。
当然価格の安さだけで比較されているのではなく、有意義な予算の使い方としてどちらがふさわしいのか?
これからの人生を考えて大変重要な判断に迫らておられます。
新築とリフォーム。一概にお金だけで判断はできませんが、今回は予算の負担に絞ってお話しします。

新築住宅の着工数は減少傾向
国土交通省「住宅着工統計」によると、2023年における注文住宅の新設着工戸数は22万4,352戸(前年比▲11.4%)。1959年の20万4,280戸以来、実に64年ぶりの低水準です。
注文住宅の新設着工は、高齢化や人口減少により新築住宅の購買層の縮小で長期的な減少トレンドにありますが、その他の原因として注文住宅の取得費用の急増が大きいとされています。
注文住宅の大半を占める木造住宅の建築費用は、直近2023年11月にはコロナ前(2019年11月)対比+14.4%と大幅に増加しています。
新築住宅のコスト上昇と生活に係る物価の上昇に伴い、新築住宅よりも今の住まいを有効活用できるリフォームを選択される傾向が強くなってきています。

新築(建替え)がリフォームより安い場合もあります
新築とリフォームの予算のイメージは、なんとなくリフォームの方が安いだろうと認識されています。
おおむねその考えで正しいのですが、リフォームもその内容によっては新築の方が安くなる場合があります。
①「骨組みだけ残して、そのほかは何もかも新しくしよう!」いわゆるスケルトンリフォームです。
この場合は、新築よりも手間も時間もかかり、新築で建替える方がよっぽど安くなります。
よほどその家に対する愛着や思い入れがない限りは、コスト的には新築の方をお勧めします。
②既存住宅50坪の全体リフォームと新築30坪を比較している場合
そもそもの建物面積が違うので小さい面積の新築の方が安くなります。
建物面積 リフォーム50坪:コスト高い > 新築30坪:コスト安い

新築(建替え)とリフォーム 予算の比較
では、一般的な事例としてはどうでしょうか?
事例として「祖父母またはご両親よりもらった築30年の住まいを新しくリフォームするか建替えるか?」
今回は初期投資としてどのくらいコストがかかるのか? 全体予算を確認します。
実は建物の工事代金以外にも必要な工事費、諸経費があります。
両者を比較する場合、全体的に必要な費用を比較することが大切です。
全体予算=建物代金+その他工事費+諸経費

新築(建替え)とリフォームの必要経費の比較表で確認するとかなり違いがあるのが分かります。
実際に予算の大半を占める建物代金については、リフォームの場合自分の予算に応じて工事範囲を決めることができます。
そのほかにかかる費用も新築とリフォームでは内容や金額が異なり、合計すると大きく差が開きます。
上記の表の金額をまとめると以下の内容になります。

まちがいのない家づくりのために
住まいを新しくするのは家族が幸せになることが目的です。
幸せの価値観は人それぞれですが住まいが人生のすべてではありません。たまには外食をしたり、家族で旅行に行ったり、生活にそれなりにゆとりも必要です。
子供も成長に応じて塾や部活動、大学に結婚など資金も必要になります。
今回の家づくりは、そんな大切な資金を使う大きな投資になりますので、どこにどんな費用がかかるのか?きちんと理解して進めましょう。

いかがでしたでしょうか?新築もリフォームも人生において大きなイベントです。
大切な資金を使うのですから、今後の将来も考えて自分たち家族にベストな選択をしてもらえたらと思います。
今回は予算をテーマに、新築(建替え)とリフォームを比較しましたが、予算だけではどちらが良いか判断できません。
新築とリフォームの住宅の性能や品質を比較したときにどれだけのちがいがあるのか?
間取りを比較したときには、どれだけ希望が実現できるのか?
次回は新築(建替え)とリフォームの工法的な違い、性能や品質、設計について比較してみます。