築46年の木造軸組工法のお宅に
お住まいのお施主様
これまで水廻りや増築などの改装をし
住まいされてきましたが
今回は住宅全体の耐震補強を行い
更に断熱性能を高める改装を行わせていただきました。
構造 | 木造2階建 |
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築年数 | 築46年(1977年建築) |
費用 | 約830万円 |

真壁和室 仏間(工事前)
改装前の和室は真壁という柱を露出する壁で仕上がっており、
主に純和風の伝統工法が用いられた建物に見ることができます。
部屋の2面に大きな窓がある間取りでした。

真壁和室 仏間(工事前)
純和風の間取りによくみられる和室の2間続きについては
2間間口の襖を開ければ開放感がありますが
建物を支持する壁が柱が少なく
建物全体のバランスを見て補強の必要がありました。

耐震診断と構造補強計画
当社、建築士による耐震診断を事前に行い補強計画を作成します。
元々の間取りによっては、現状より壁を増やし
筋交い等の構造上有効な壁『耐力壁』をバランスよく配置しなければなりません。
耐力壁の配置バランスが偏ると、耐力壁が少ない方に地震などのエネルギーが集中し、
建物がねじれて倒壊しやすくなってしまいます。
軸組工法による木造住宅の耐震強度をあげるためには、耐力壁の量を増やすだけでなくバランスを取って配置することが重要です。
事前に補強計画を図面化しどの様に施工していくのかを検討します。

解体後
事前に行った調査と解体後の柱・梁などの構造が計画上
問題が無いかも重要なポイントです
解体後には改めて検査を行い、細かな箇所もチェックしていきます。
壁体内の断熱材も薄く老朽化が見られます
これらも全て撤去し新しい断熱材に入替を行います。

構造用合板張り耐震補強工事
耐震補強では、特別な材料や工法などを用いることもありますが
一般的にも使用される構造用合板を用いることで
より簡単に、低コストで耐震改修ができます。
面で壁を補強する事により強度を上げ、耐力壁とする施工です。

筋交い補強工事
木造建築の主流である軸組工法では、
柱と柱を梁で水平につなぐ施工方法ですが軸組工法の場合、
建物の上方向からの圧力は柱で支えることができますが
地震の横揺れや台風の際の強い横風など横から掛かる圧力には弱く
筋交いの無い壁の強度は横からの力で簡単に倒壊してしまいます
そのため建物の柱と柱の間に、土台から横架材に届くよう斜めに筋交いをし
壁の強度を上げる施工を行いました。

富山市による耐震補強検査
富山市ではお住まいの木造住宅について耐震改修工事の費用補助を行っています。
今回の計画では補助金の適用を受ける内容となっており
市役所での検査を受けております。
『富山市木造住宅耐震改修支援事業』では一定の条件を満たす
耐震補強の場合補助金を受けれらる場合があります
このような補助金制度は富山市以外でも行われおり
詳しくは当社までお問い合わせください。

耐震補強 完成後
完成後は柱の見えない『大壁』という仕上がりにさせて頂きました
こうする事により壁の補強と十分な厚みの断熱施工を行え、
見た目にも現代風のおしゃれな仕上がりなりました。

断熱サッシへの取替
耐震補強に伴い、元々の古いサッシも撤去し
新たに高性能な断熱サッシへと取替を行いました
窓からの熱の出入りを抑え、断熱効率もUPしました。

2間続きの間仕切り建具も入替し補強行いました
元々の和室にあった襖上部のランマをなくし
間仕切りの襖があった箇所も間口を少し狭くし
袖壁の耐力壁を設けました
真新しい障子がスッキリとした印象です。